聖剣伝説2 Original Sound Version

聖剣伝説2 オリジナル・サウンド・ヴァージョン
(下は再発版?)
 
 聖剣2のサントラを借りてきました。聖剣2って、物語・システム・音楽・バグ(ぉ
と、どこを取っても文句なし(バグはありか?)のゲームとして有名ですよね。
スーファミの金字塔の一つなんじゃないかと思います。いや、プレイしたゲームの総数が
驚くほど少ない僕が言っても微妙なんですがね。第一言ってる僕自身、
中学の頃にクリアした筈なんですが、内容殆ど思い出せないからな……。
 
 しかし、内容が分からない事もあって、聖剣2のイメージは僕の中でどんどん神格化していく訳です(大袈裟)。
で、聖剣2と3の音楽を作曲した菊田裕樹という人は、ゲーム音楽プログレと言う世界では、
桜庭統氏(トライエースの各作品)と並んで有名な人です。
聖剣3は音楽として聴くと微妙な曲も多いんですが(そもそもボリュームがありすぎる)、
聖剣2の音楽は全曲名曲です。サントラは一枚の音楽アルバムとして完成されていると言っていいです。
 
 このゲーム93年発売で、プラットホームはスーファミです。だから、音には当然限界があります。
だが、そこがいい。いや、これは趣味です。でも、例えばファミコンアレンジみたいにレトロさに
突っ走るわけでもなく、この位の音と言うのが、シンプルでしかし表現能力に最も優れていると思うんですよ。
もうこの手触りは、どこのゲームでも再現し得ないわけですから。
 
 音質の話は置いといて、内容です。これはもう全曲名曲と言う他ないです。
ジャンルは、(評価したのは僕ではないですが)プログレの入ったゲームミュージック、だと思います。
先ず、「少年は荒野を目指す」「危機」「子午線の祀り」などなど、曲単体で見ても駄曲なんか
当然ありません。これは、一曲が短い為にテンポよく進む事がいい方向に働いているのかも。
それに、構成も非常に良い。と言っても、ゲームに登場した順の筈ですが。
一つのテーマの異なるアレンジの曲が数曲あって、それらが絶妙のタイミングで入るんですね。
これは非常に良いアクセントになります。ラスボス曲「子午線の祀り」まで来ると、
ゲームもやってないのに、遂にここまできたような感覚におそわれたり。
 
 曲には日本語で題がついてるんですが、「不思議なお話を」「危機」「儀式」*1と、
菊田氏のルーツが垣間見えます。
 菊田氏はライナーノーツで「音楽はメッセージではない」「音楽を創る事で何かを言いたいのではない」
と言っています。勿論、これは抜粋であって、菊田氏の言いたいこととは異なるでしょうが。
この発言には目から鱗の落ちる思いですね。この姿勢こそが本当の音楽の姿であると思います。
 
 
 聖剣2のサントラを聴いた感想を垂れ流しにしてみました。
長々と書いてきましたが、ここまでの内容、解説だの感想だのは僕自身の表現と言えるわけで、
はっきり言ってどうでもいいのです。それよりも、音楽を取りあげてここに紹介すると言う事は、
「こんなにいい音楽があるよ、みんなも聞いてみたらどう?」と、ただこれを言いたいだけなのです。
もっと純粋な紹介がしたいものですが。

*1:いずれも、プログレッシブ・ロックバンドYESの曲の邦題