安部真弘 / 侵略!イカ娘

侵略!イカ娘 1 (少年チャンピオン・コミックス)

侵略!イカ娘 1 (少年チャンピオン・コミックス)

★★★★★
侵略!イカ娘 2 (少年チャンピオン・コミックス)

侵略!イカ娘 2 (少年チャンピオン・コミックス)

★★★★★
侵略!イカ娘 3 (少年チャンピオン・コミックス)

侵略!イカ娘 3 (少年チャンピオン・コミックス)

★★★★★
ここに断言します、今までイカ娘を読んでいなかったことは人生における損失でした。


というわけで、これからこのイカ娘という作品がいかに素晴らしいか述べたいと思います。まず、個人的好みの問題から言わせてもらえば、これほどまでに絵が整っていて、キャラクターが色々な表情を見せて、その表情全てが非のつけどころなく自分の好みだった作品を僕は思いつきません。絵柄は軽いタッチで、ギャグ漫画/萌え漫画双方に非常にマッチした絵柄なんですが、とにかく非常に整っていて、模範的とすら思えます。好みの問題ですが。たまに鼻がなくなるデフォルメ具合、得意げな顔悪そうな顔動きのある顔、どれも完璧です。
そして、その完璧な絵なんですが、驚くことに初回、第1巻の第1話から既に完成されているんです。3巻まで進んでもほとんど変化していません(極端な話、1巻の絵の方が完成されているとすら思えます)。ついでに、1巻の第1話から完成されているのはストーリーも同じで、この手のデビュー作のギャグ漫画にありがちな、連載開始当初はやたら絵がよくなかったり話がイマイチ荒削りだったりというところが見えないんです。3巻まで全て完璧な状態を保っている。


次にキャラクター。メインキャラたちは特筆することはないですがムダのない構成だと思います。イカ娘の生態に関しても、行き当たりばったりに見せかけてスキがなく、柔軟にストーリーが組み上げられていると感じます。そして、僕の一押しであるところの早苗ですが、いやあ!何でこんなに可愛いんですか早苗! ただのおかっぱのロリっ娘かと思ったら(栄子の同級生ですが)、イカ娘に変態性欲をもて余す腹黒っ娘だったなんて(誇張アリ)! 早苗が何か企んでる顔が好き過ぎます。
あと、触れないわけにいかないのが悟郎ですね。こういう女の子しか出てこない作品に出てくる野郎って、正直いらない存在の場合が多いんですが、悟郎は憎めない面白い奴で好きです。ビジュアル的にもいい感じにかっこいい。この辺にも、最初に述べた絵柄の非の打ち所のなさが現れていると思います。


まとめると、絵がいい、キャラもいい、話も面白いの三拍子なんですね。それだけではなくて、僕はこの作品の作画を「飛びぬけているもの」だと感じます。突出したものを持ちつつ、他の要素も高水準に備えた作品なんです。1巻を読んでいるときの僕の衝撃はかなりのものでした。これほどまでに、僕の好みに合致した作品があったのか、と。この「侵略!イカ娘」を超える漫画はこれから相当の間は現れることはないでしょう。素晴らしい! 以上です。