プログレッシブ・ロック

危機(紙ジャケット仕様)

危機(紙ジャケット仕様)

 プログレが好きプログレが好きと事あるごとに言ってますが(言ってたっけ?)、
実際に紹介するのはこれが初めてですね。
プログレに興味を持ったならばまず最初に聞くアルバムは、
これか、或いは「クリムゾン・キングの宮殿」ではないでしょうか(ピンク・フロイドって場合もあるかも)。
 僕としては、イエスキング・クリムゾンなのと、「クリムゾン・キングの宮殿
がまだそこまで良く解ってはいないので、これをお薦めします。
プログレのCDってのは得てして見つけにくいものですが、
エスキング・クリムゾンピンク・フロイドは例外で、どこのレンタル店にも置いてあります。
(イエスはこれか「こわれもの」くらいしか置いてないんだけどね……。)
 
 このアルバムはプログレ全盛期の1972年に、イギリスのバンド・イエスが発表したアルバムです。
特筆すべきは、曲が三曲しか入っていない事。一曲目が十八分、二曲目が十分、
そして三曲目が九分の全三曲三十七分、大曲揃いです。
プログレと言うのは総じて難解なもんで、このアルバムも変拍子がふんだんに登場します。
しかし、数あるプログレの中でもこのアルバムに限っては、意識しないとそんな難解さには気付きません。
キラキラ透き通りつつもハイテンションな演奏に、ボーカルのジョン・アンダーソンの
特徴ある歌声が乗って、流れるように時間が過ぎていきます。
ポピュラー音楽に引けを取らないメロディを持ち、各楽器のソロは緊張感溢れる出来栄えです。
 
 音質的には頷けるんですが、しかし密度は、これが今から三十年以上前の音楽だと言う事に驚きます。
プログレ入門用アルバムとしては、もしかしたら最初が一番の名盤となってしまうかもしれない諸刃の剣。
僕も一番を挙げろと言われたらこのアルバムは候補からは外れないです。
 
 
 余談ですが、古今東西(いや、西だけかな……)あらゆるロック・ミュージックのバンドやら
アルバムやらがもじられて登場する、荒木飛呂彦作「ジョジョの奇妙な冒険」。
ピンク・フロイドなんかクイーンに並ぶほど登場してるし、クリムゾン、EL&P
ソフト・マシーンまで登場してるのに、不思議な事にイエスを元ネタとした名前は
一つもありません(ブラフォードと言う登場人物がいるらしいが、ビル・ブラッフォード
クリムゾンにも長くいたからなぁ)。なんでだろう。